人工関節で障害年金を申請する際のポイント

文責:社会保険労務士 大原啓介

最終更新日:2023年07月27日

1 人工関節は障害年金の対象になることがあります

 人工関節手術は、関節部分の機能が悪化した場合に、その部分を取り除き、人工関節を取り付ける手術です。

 例えば、関節リウマチ、骨壊死病、変形性関節症等の場合に、人工関節手術を行うことがあります。

 もし、人工関節を入れた場合、障害年金を受給できる可能性があるため、障害年金の申請を検討するとよいかと思います。

2 障害の程度がポイントです

 例えば、膝に人工関節を入れている場合、障害年金の申請理由は「下肢の障害」です。

 「下肢の障害」の認定基準によると、膝に人工関節を入れている場合、原則として障害年金3級に該当するとされています。

 また、仮に肘に人工関節を入れている場合、障害年金の申請理由は「上肢の障害」です。

 「上肢の障害」の認定基準によると、肘に人工関節を入れた場合、原則として、障害年金3級に該当するとされています。

 ただし、「下肢の障害」や「上肢の障害」であっても、障害の程度がかなり重い場合には、1級や2級に該当することもあります。

3 障害認定日が通常と異なります

 障害認定日は、簡単にいうと初めて医師の診察を受けた日から、1年6か月が経過した時点をいいます。

 障害年金の受給権は、この障害認定日から発生します。

 しかし、人工関節の場合、障害認定日について、特別なルールがあります。

 人工関節を理由に、障害年金を申請する場合、障害認定日は、人工関節を入れた日とされています。

 つまり、1年6か月を待つことなく、手術後すぐに障害年金の申請が可能ということです。

4 人工関節を入れた方はお早めに専門家にご相談を

 人工関節を入れると、その日から障害年金の申請が可能になります。

 そのため、人工関節を理由に障害年金の申請をする場合は、他の傷病を理由に障害年金を申請する場合と比べて、スピーディーに障害年金の受給を実現できる可能性があります。

 人工関節の手術をした方や、これから手術を予定している方は、できるだけ早い段階で専門家に相談することが大切です。

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