障害年金における初診日

文責:社会保険労務士 大原啓介

最終更新日:2023年08月28日

1 初診日が持つ意味

 障害年金の申請において「初診日がいつになるか」ということは非常に重要な要素です。
 初診日において国民年金に加入していた場合は障害基礎年金が支給され、初診日において厚生年金に加入していた場合は障害厚生年金が支給されます。
 また、保険料を納めていたかどうかは、初診日の前日の時点で、初診日の属する月の前々月までの状況が確認されます。
 さらに、障害の状態が等級に該当するかどうかは、初診日から原則として1年6か月後の障害認定日における障害の状態で認定されます。

2 どのような日が初診日になるか

 初診日は、原則として障害年金を請求する障害の原因となった病気やケガで、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日です。

 現在診断されている病名と、障害の原因となった病気で初めて診療を受けた当時の病名は同じであることもあれば、異なっていることもあります。

 たとえ病名が異なっていても、現在診断されている病気と当時診断された病気との間に相当因果関係があると認められる場合は、当時診断された病気で初めて診療を受けた日が初診日として認められます。

 相当因果関係とは、「前の病気やケガがなかったならば後の病気は起こらなかったであろう」という関係です。

 相当因果関係があると取り扱うことが多いものとしては、糖尿病と糖尿病性網膜症または糖尿病性腎症、糖尿病性壊死症、肝炎と肝硬変等が挙げられます。

 相当因果関係がない場合には、前の病気と後の病気は別のもの、ということになります。

3 先天性の病気の初診日

 また、先天性の病気であっても、知的障害の場合に初診日が出生日となるのを除き、原則として病気の症状を自覚して医師または歯科医師を受診した日が初診日となります。

 初診日についてご不明点がありましたら、お気軽に私たちにご相談ください。

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