知的障害で障害年金をお考えの方へ

1 こんなお悩みありませんか?

  • 最近、知的障害だと診断された。
  • 自分が死んだ後、知的障害がある子供の生活を経済的に助けたい
  • 知的障害で障害年金が受給できるか知りたい

→知的障害についても、条件を満たせば障害年金の受給が可能です。

2 知的障害に関する障害年金の認定基準

 知的障害は、障害年金の認定基準では「精神の障害」の中に位置づけられており、「知的障害とは、知的機能の障害が発達期(おおむね18歳まで)にあらわれ、日常生活に持続的な支障が生じているため、何らかの特別な援助を必要とする状態にあるものをいう」と定義されています。

 そのうえで、身の回りのことを行うのに全面的な援助が必要で、会話による意思疎通が極めて難しく、常時援助が必要なものを1級、身の回りのことを行うのに援助が必要で、会話により簡単な意思疎通しかできないため日常生活に援助が必要なものを2級、働くことに著しい制限があるものを3級としています。

 なお、知的障害に障害手当金は支給されません。

3 知的障害で障害年金申請する際のポイント

 先天性の知的障害の場合、最初に医療機関を受診したのがいつかにかかわらず、出生日が初診日となります。

 初診日に厚生年金に加入していることはあり得ないので、先天性の知的障害の場合は障害基礎年金の申請となり、支給されるには2級以上に認定される必要があります。

 知的障害で障害年金申請用の診断名を作成してもらう場合、まず、①の「障害の原因となった傷病名」が知的障害になっていることを確認します。

 また、⑩-アの「現在の病状又は状態像」で、知的障害にチェックまたは○がされていることを確認します。

 等級の審査においては、精神障害の場合と同様に、⑩-ウ-2の「日常生活能力の判定」と⑩-ウ-3の「日常生活能力の程度」が重要となります。

 「日常生活能力の程度」は、精神障害と知的障害で記入する場所が別になっているので、知的障害のほうにチェックまたは○がされていることを確認します。

 知的障害がある方は、医師に自分自身の症状を伝えるのが苦手であることが多いため、診断書を作成してもらうにあたっては、日常生活で不自由に思っていること等を付き添いの人から伝えてもらったり、文章にして伝えることが大事です。

4 知的障害と障害年金に関するQ&A

Q 療育手帳の等級は障害年金の審査に影響しますか?

A

療育手帳は、知的障害がある人に交付される障害者手帳です。

自治体によっては異なる名前である場合もあります。

等級は重度の方からA1、A2、B1、B2となっているのが一般的ですが、異なる区分の自治体もあります。

障害年金は、療育手帳を含む障害者手帳とは異なる制度であるため、療育手帳の等級が○○であれば障害年金は○級になる、といった対応関係はありません。

ただし、一般的な傾向として、療育手帳の等級が重ければ障害年金を受給できる確率も高くなり、等級も重くなりやすいと思われます。

Q 特別支援学校に通っていませんでしたが、知的障害で障害年金を受給できますか?

A

精神の障害用の診断書には教育歴を記載する欄があり、小学校、中学校、高校が普通学級だったか、特別支援学級だったか、特別支援学校だったかを記載する欄があります。

そのため、一定程度審査の参考にしているものと思われますが、決定的な要因ではありません。

特別支援学校に通っていなくても、知的障害で障害年金を受給しているケースはあります。

Q 所得制限について教えてください。

A

初診日が20歳になる以前にある場合の障害年金は、初診日までに国民年金の保険料を負担していなくても受給できる特例的なものです。

そのため、前年の所得が370万4000円を超えると2分の1が支給停止され、472万1000円を超えると全額が支給停止されます(扶養親族がいる場合、1人につき38万円が加算されます)。

また、労災保険の年金を受け取ることができる場合や海外に転居した場合等も支給停止となります。

5 知的障害に関する受給事例

20代男性、知的障害

等級
障害基礎年金 2級
年金額
約80万円/年
ポイント

大手企業の特例子会社(グループ企業の障害者雇用に特化した会社)に勤めており、ある程度の収入があったので、症状が軽いと判断される恐れがあったが、実際には、単純作業しか行っておらず、周囲のサポートがなければ働けない状況だった。

そこで、そうした就労状況を医師に伝えた上で診断書に記載してもらい、日常生活や就労の状況について記載した別紙を添付して申請したところ、無事2級に認定された。

40代女性、軽度知的障害

等級
障害基礎年金 2級
年金額
約80万円/年
ポイント

過去に自分で障害年金の申請をしたが、不支給となっていた。

当時通院していた病院で、再度、診断書を作成してもらって当法人にご相談されたが、診断書の内容からすると2級は難しいものであった。

その後、転院され、転院後の医療機関で新たに診断書を作成してもらったところ、2級相当の内容であったため、申請を進めたところ、見立てどおり2級に認定された。

6 弁護士法人心にご相談いただく場合の流れ

  1. 受付け

    フリーダイヤル(0120-25-2403)にお電話ください。

  2. 聴取り

    障害年金業務の担当から、病名、症状、通院歴等をうかがいます。

  3. ご予約・ご相談

    ご相談の時間を設定し、申請の進め方や見通し、費用等をご説明いたします。

    わからないことがあればお気軽にご質問ください。

    ご相談は原則として、当法人の事務所にお越しいただく形となります。

  4. ご契約

    当法人にお任せいただくことをお決めいただいた場合は、ご契約となります。

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